は  じ  め  に 〜久留米地域の情報化に向けて〜
 
米国マルチメディア視察団 団 長 佐 田 静 夫
 
 私たち米国マルチメディア視察団一行15名は、平成8年10月6日より10月14日まで 9日間の日程で米国のインターネットの現状を中心に視察し、大きな成果をお土産に無事帰国することが出来ました。
 まずもって、この視察に当たって絶大なご支援を賜りました、久留米市、久留米・鳥栖地域インターネット協議会そして参加団員が所属する各企業、団体の皆様方に、団員を代表して深く感謝申し上げます。
 さて、私たちの米国滞在中、カリフォルニアは秋としては記録的な猛暑となり、連日 30度を超える日が続きましたが、全員体調を崩すこともなく充実した視察を終えることが出来ました。団員の視察先での活発な質疑は地域情報化のリーダーたらんとする気迫に溢れており、また、オフタイムでの伸び伸びとした振る舞いは、米国のマルチメディア社会の実体そしてそれを育む風土や背景を十分に感じ取ることができたものと確信しております。私はこの団員の真剣なそしておおらかな態度・行動を見て、この方々が今後の久留米地域の情報化社会構築のリーダーとして必ずご活躍いただけるものと意を強くしたところであります。
 帰国後、私たちは今回の視察をどの様に報告し、活かしていくべきかについて何度か話し合いを持ちました。また、会合での討議そして電子メールでの意見交換の中で、地域情報化のリード役となるインターネットに関する課題について多くの意見交換をいたしました。
 以上の視察および意見交換の結果を踏まえて、すでに幾つかの報告会が実施されました。また、今後、団員各位もそれぞれの立場で、今回の視察で得たものを生かして課題解決に向けて努力して行く決意でありますが、関係機関・団体そして市民の皆様にも地域活性化の切り札としての情報化推進にご協力いただきたいと考えております。

 最後に、私たちの今回の視察を通じて得たものをどのように生かすかの討議をもとに纏めました幾つかの提案事項を記して、今回の米国マルチメディア視察報告のまとめとさせていただきます。

〜久留米地域の情報化に向けて〜

情報基盤の整備
 ・ケーブルテレビのインターネット利用の事業化
 ・公共施設等での情報端末の先行的整備
 ・ビジネス利用環境の整備(電子マネーの実験等)
情報化社会に対応できる人づくり
 ・学校の情報機器整備及び指導教員の研修体制確立と
  大学の人的支援
 ・大学の情報基盤整備と地域の技術リード役としての
  地域貢献
 ・インターネット協議会を中心とした情報教育の活性化
情報化推進体制
 ・産・学・官の役割分担の明確化と連携システムづくり
 ・市の地域情報化推進窓口の設置と行政支援の拡充
 ・企業の積極的な情報化対応促進と商工会議所の支援