Kurume・Tosu Internet Conference

「The Journal of Internet」 Volume4,2000 || H O M E || || 2 || 3 || 4 || 5 || 6 || 7 || 8 || 9 || 10 || 11 || 12 || 13 || 14|| 15 || 16

 

SOHOのすすめ

SOHOアジア代表 日本SOHO協会理事
飯盛敦博
Atsuhiro Isagai
Mail to n-isagai@sa2.so-net.ne.jp


日本SOHO協会
http://www.j-soho.gr.jp/ 

全国デジタルオープンネットワーク事業協同組合
http://www.digital.or.jp/

【日刊SOHO'S REPORT】
http://www.soho-union.net/report/


皆さん、"SOHO"という言葉を聞かれたことがあるだろうか?
Small Office Home Officeの略で、10人以下のスモールオフィス、個人事業主、在宅ワーカーなどを指している。インターネットとパソコンの急激な普及とともに、このSOHOというワークスタイルが注目を浴びるようになった。 私が、この言葉を知ったのは、1995年、ある雑誌に河西保夫氏(現日本SOHO協会)がSOHOギルドを設立したのを読んでからだった。
私はこのSOHOというワークスタイルが、場所や時間などを自分で自由に使えることと、国籍、性別、年齢などによる格差が少なく、多くの方にチャンスを与えることに大きな魅力を感じた。 また、アジア交流を志向していた私は、インターネットでその可能性が広がったことを喜んだ。 そこで、私はSOHOを調べて内容をまとめ、知り合いを集めて勉強会を開いた。 はじめは、3人しか集まらなかったが、この活動をきっかけに多くの方と交流し、現在に到っている。
ほんの数年のできごとであるが、環境が急激に変わり、別世界の人だと思っていた河西さんとも一緒に仕事ができるようになった。とても不思議な気持ちである。
私の仕事内容も大きく変わった。学校のパソコン教室の設計や校内LANの構築などを行っていたものが、現在は、ネットビジネスのプランニング専門になっている。 しかし、これがドッグイヤーといわれる情報化社会のスピードであると実感している。
今後は、Webを単に情報発信するというだけでなく、Eコマースなどに活用しようという企業が増えているため仕事の幅も大きく広がりそうだ。 交流をもってきた方々も、今ではその分野の第一人者として頑張っている。 河西保夫氏は、「SOHO独立開業の素」「SOHO STYLE2000」などを出版し、公益法人である日本SOHO協会を設立した。 また、大阪の塩見政春氏は関西SOHOデジタルコンテンツ事業協同組合を設立。東京の藤倉潤一郎氏は全国デジタルオープンネットワーク事業協同組合を設立した。 SOHOのネットワークの次ぎのステップとして公益法人や事業協同組合を選んだのである。
ネットワークも一時的なものではなく、現在でも続いている。
塩見さんとはSOHO団体のコラボレーションメールマガジン「日刊SOHO'S REPORT」を共同で発行している。また、藤倉さんとは全国デジタルオープンネットワーク事業協同組合の九州支部を設立準備中である。
彼等に共通することは、新しい時代をつくる先駆者になりたいという思いであろう。バイタリティある活動で「SOHO文化」を作り上げている。 SOHOのネットワークはビジネスによるものもあるが、志によるものも多い。 同じ志で結ばれた世界中の仲間がインターネットを通して議論するのは、このSOHOネットワークの醍醐味である。 SOHOというワークスタイルは企業側にも個人にもメリットの多い働き方である。企業側には、下記メリットがあげられる。
1. 経営の合理化
2. オフィスコストの削減
3. 人材の有効活用、有能な人材の確保
4. 労働生産性の向上
個人には下記メリットがあげられる。
1. 通勤負担の軽減
2. 時間管理の自由裁量の拡大
3. 雇用機会の拡大
4. 独立、開業コストの減少
このように情報化社会の有望なワークスタイルとして様々な角度から注目を浴びている。
しかし、現実は地域(企業)の商習慣や契約などの面での課題もまだまだ多い。 それでもここ数年でSOHO事業者にとっては大きく環境改善がなされてきたと思う。政府や自治体の積極的なバックアップも効果的に作用している。 企業側もSOHO事業者に発注することに戸惑いが少なくなったようだ。
「SOHO事業者になるためには何が必要ですか」とよく聞かれる。もちろん、特別な技術をもっているにこしたことはないが、私は一番大切なのは"意欲"だと思っている。つまり、やりたいという強い"思い"が大切である。
私は、一部の特定の技術者がSOHOというワークスタイルを活用できるのではなく、意欲のある多くの方が自己実現のために活用できるような環境作りのお手伝いをしたいと思っている。
SOHOというワークスタイルは、まだ歴史が浅く、社会に定着しているとはいえない。 しかし、だからこそ、SOHOというワークスタイルにかけてチャレンジする意義、面白さがあると思う。 また、SOHOの意義は単なるワークスタイルからライフスタイルへと変貌しつつある。どんな人生を送りたいかをSOHOというワークスタイルを通して議論されることが多くなった。 私は皆さんの意欲によるチャレンジを期待している。そして、多くの仲間を増やして充実した人生を送ってもらいたい。

 


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