Kurume・Tosu Internet Conference

「The Journal of Internet」 Volume5,2001 || H O M E || || 3 || 4 || 5 || 6 || 7 || 8 || 9 || 10

最近、「ブロードバンド」(broadband)という言葉をあらゆるメディアで目にするようになってきた。直訳すれば「高速・広帯域」というのだろうが、ここでは高速インターネットのことを示しており21世紀のキーワードにもなりつつある。
■久留米リサーチセンタービル

 

ブロードバンド時代到来

  協議会事務局

 

 
「ブロードバンド」も、ADSL、無線接続、IP接続、CATVインターネット、電力線、デジタル放送など、数多くの研究開発が続けられているが、その中で現在最も注目されているのは、CATVインターネットとADSLである。
雑誌などを見ると、「ADSLvs.CATV」「ブロードバンドを徹底比較」などとした記事を目にするが、先行する海外の事情から判断すると必ずしも対抗するサービスではなく、高速常時接続を望むユーザーニーズをお互いに補完するサービスのように思える。例えば、ADSLやCATVといった「ブロードバンド」の話題では、インターネット先進国としてのアメリカや韓国の事例が多く紹介されているが、両国における「ブロードバンド」利用状況はかなり違っているようだ。
アメリカでは、CATVの利用者が圧倒的に多い。これは米国では通信距離が短いADSLではカバー範囲が狭いということで、サービスとしても先に始まったCATVインターネットを選ぶケースが多いことが理由のようだ。
これに対し、韓国では一般的な住宅事情としては一戸建てよりもマンションに住む人が多く、マンションまでを専用線などで接続しマンション内だけADSLを使うというケースが一般化し、手軽に利用できるADSLが急速に普及したという。
高速性・価格といったコストパフォーマンスにおいてはCATVインターネットとADSL、ほぼ同格のようだが、住宅事情などによってもその選択が分かれるようだ。
日本の場合、光ファイバーを使う加入者回線「FTTH」(fiber to the home)の実現が最終目標であるというのが郵政省の見解だったが、実際に光ファイバーを各家庭にまで引き込み、銅線をすべて撤去できるようになるまでには15年から20年ぐらいかかるとみられている。その間、CATV利用者は年々確実に増大するだろうし、ADSLサービスも規制緩和により一挙に需要が広がる可能性がある。
ブロードバンド化を進めるに当たっての一番大きな問題は地域間のデジタルバイトだと言われている。久留米は、九州では最初にCATVサービスが開始され、またADSLのサービスも近く始まりそうだ。そういった意味では、私たちは非常に恵まれたインターネット環境に住んでいると言えるだろう。
いよいよ、21世紀型常時高速接続サービスが“使える”時代になってきた。
(久留米・鳥栖地域インターネット協議会事務局)


|| H O M E || || 3 || 4 || 5 || 6 || 7 || 8 || 9 || 10